日本最高標2位の「北岳」とは
北岳山頂から。
- 山梨県南アルプス市にある標高3193mの山。
- 日本百名山の一つで富士山に次に標高が高い。
- 近くに、間ノ岳、中白根山、農鳥岳がある。
- 主な山小屋が3つ。(北岳山荘、北岳肩の小屋、白根御池小屋)
- 登山時期は6月から10月頃。
- 北岳にだけある北岳草が6月に咲く。↓写真
北岳草
初心者ルート
- 広河原から行くルートが一番最短。とは言え、登り6時間以上かかるロングコースです。
- (普段から、朝夕30分以上、坂道を重い荷物を背負い散歩してるといいでしょう。)
- 日帰り不可能なので、宿泊が前提になります。
- 広河原からは「白根御池小屋分岐」「右俣コース、左俣コース」と分岐があり、8の字の様なコースになっている。
2つの最短ルート
広河原から行く2つの最短ルートを仮にAルートとBルートとして比較していきます。
山と高原の地図から
Aルート | Bルート | |
登り時間 | 6h00m | 6h25m |
下り時間 | 3h55m | 4h20m |
山道の残雪 | 多い | 少ない |
安全 | × | 〇 |
山小屋 | なし | ある |
表について
- この表を見るとAルートの方が登りも下りも25分早い。
- 残雪は、登山道後半に残っている雪の量。6月末の時点。
- 安全面では、Aルートの左俣コースが8月まで残雪があり、落石があるのでXとした。(ヘルメット必要)
- 山小屋はBルートに2つ、Aルートは無いが、大樺沢二俣にトイレがある。
Aルートについて
- 左俣コースは、「八本歯のコル」と呼ばれる難所で、急登、日よけが無くかなり体力を奪われます。さらに6月は雪が残っているので止めた方がいいでしょう。
- アイゼン、ピッケルは必需品。上級者向けルートです。
- 雪道は通常の1.3倍の体力を消費します。
- もしAルートで山頂から肩の小屋に行くのは、登って下るので、かなり無駄で大変です。6h40mかかる。
- 間ノ岳へ行く人用のルートには良いですが、安全面が心配です。(北岳行かず、北岳山荘を目指す)
Bルートについて
- 25分、遅くなるが、Bルートの方が安全で、山小屋があるため安心です。
- このコースの最大の難所が「草スベリ」と呼ばれる急登が続く所です。
- 「草スベリ」は日陰が少なく、小石でスベルので下山時も体力が奪われます。
- 登る前は、白根御池小屋で休憩し、水をもらい体力を回復させた方がいいでしょう。
- 「草スベリ」前後は残雪がある。アイゼン無しでも行けるが、不安なら持って行きましょう。@6月末時点
初心者はBルートがおすすめ
「急がば回れ」という諺のようにBルートで行く事を勧めます。
雪道での減速、雪のトラブル、安全など考えるとBルートです。
問題が起きた時、近くに山小屋があると助かります。
草スベリから、左俣コースの急登の雪上を歩く人の姿を見れます。遠いので雪上に点が動いているようにしか見えませんが、遠くから見ていてもかなり大変なルートだと分かるはずです。
モデルコース
Bルートでモデルコースを作成してみました。参考にして下さい。
モデルコース1:北岳肩の小屋に宿泊
- 1日目に肩の小屋で泊まり、2日目に北岳登頂後、下山。
- 北岳往復時は貴重品以外の荷物を肩の小屋に置かせてもらいましょう。
- 下山は、白根御池小屋で昼飯カレーです。
- 帰りバス最終便に時間に余裕があります。
1日目 | |
広河原インフォ | 7:00 |
白根御池小屋 | 9:30 |
小太郎尾根分岐 | 12:00 |
北岳 肩の小屋 | 12:30 |
2日目 | |
北岳 肩の小屋 | 7:00 |
北岳 | 7:50 |
(休憩30分) | 8:10 |
北岳 肩の小屋 | 9:00 |
白根御池小屋 | 12:20 |
(休憩30分) | 12:50 |
広河原インフォ | 13:10 |
モデルコース2:白根御池小屋に宿泊
- 1日目に白根御池小屋で泊まり、2日目に北岳を登頂後、下山します。
- 2日目が約8時間歩く、そして、バスの最終便に時間ギリギリ><。
- 下山時刻14時までに白根御池小屋に到着しなければ、バスに間に合わないので、その場合白根御池小屋にもう一泊しましょう。または広河原インフォメーションで素泊まり・・。
- 貴重品以外の荷物は、白根御池小屋に置かせてもらい北岳を往復するのが良い
- 2日目の食事計画は以下の2つで行く。
- 例1:朝食後、6時。すぐ出発。弁当を受け取る。山頂で弁当を食べる。
- 例2:朝食は持参した「おにぎり」などで済ませ朝5時に出発。下山時に白根御池小屋で昼食カレーを注文。
1日目 | |
広河原インフォ | 9:00 |
白根御池小屋 | 11:30 |
2日目 | |
白根御池小屋 | 6:00 |
小太郎尾根分岐 | 8:30 |
北岳 肩の小屋 | 9:00 |
北岳 | 9:50 |
(休憩30分) | 10:20 |
北岳 肩の小屋 | 11:00 |
白根御池小屋 | 12:50 |
(休憩30分) | 13:20 |
広河原インフォ | 15:10 |
写真:6月、残雪の「草スベリ」。実際には草では滑らず小石や雪で滑る。
おすすめの山小屋は?
写真:北岳山荘の小部屋(間ノ岳)
どこの山小屋にするかは、個々の目的によって変わるので以下を参考にして下さい。
またシーズン中で晴れの日は混雑は避けられません。。
Bルート上の山小屋①~④
番号 | 小屋名 | 広河原山荘~山小屋 | 山小屋~北岳 | 勝手な評価 |
① | 北岳 肩の小屋 | 5h35m | 50m | ☆☆☆ |
② | 北岳山荘 | 7h20m | 1h20m | ☆☆☆☆☆ |
③ | 白根御池小屋 | 2h35m | 3h50m | ☆☆☆☆☆ |
④ | 広河原山荘 | 00m | 6h20m | ☆☆☆☆ |
⑤ | (農鳥小屋) | 4h06m | ☆ |
番号 | 小屋名 | 素泊まり
(寝具なし) |
素泊まり
(寝具付き) |
一泊2日 | テント
一張り |
水 | トイレ
(宿泊者以外1回につき) |
① | 北岳 肩の小屋 | 4,700円 | 5,700円 | 8,700円 | 700円 | 有料1ℓ100円 | 100円 |
② | 北岳山荘 | 4,800円 | 5,800円 | 8,700円 | 800円 | 無料 | |
③ | 白根御池小屋 | 5,300円 寝具有無は不明 | 8,300円 | 500円 | 無料 | 100円(チップ式) | |
④ | 広河原山荘 | 5,200円 | 8,200円 | 500円 | 無料 | ||
⑤ | 農鳥小屋 | 500円 | 宿泊者は無料 |
*空白部は内容不明なため記入せず
①北岳 肩の小屋
- 電話:0552882421 & 09046060068
- 公式サイト:北岳 肩の小屋
- 展望が良い。富士山、アルプスが見える。
- しきり無い大部屋(いびきが響く)
- 北岳まで50分。コース上の途中に位置するため、北岳だけ行くには最も良い。
- スタッフは男性。
- 更衣室がある。(女性には嬉しい)
- ビールがある。
- 予約はした方が良い。予約なしでも大丈夫。
山頂から10分歩くと見えてくる北岳肩の小屋@中央緑色の屋根
②北岳山荘
- 電話:09045294947
- 公式サイト:無し
- 北岳と間ノ岳の中間に位置する。(北岳と間ノ岳に行くには良い小屋)
- 北岳~間ノ岳は、稜線を歩く。6月時点雪は無い。
- 宿泊値段は、北岳 肩の小屋と変わらないが、経営する会社が違う。
- 展望は良い。朝焼けの富士山がキレイ。
- 広河原登山口から約9時間かかり、遠いので前泊で白根御池小屋の泊っても良いかも。
- 予約不要
- Wi-Fiが使える。電波は悪い。
- 大部屋2、小部屋4程ある。
- 水は無料。
- ご飯は、米、みそ汁おかわり自由。
- この山小屋付近に咲く「北岳草」を目的に泊まる人が多い。
- 女性スタッフの対応が、かなり良い。そのため評価を5つ☆とした。
- 1人女性スタッフがいる。少年っぽい格好をしているが、親切、丁寧、思いやりがある人。
- 具合が悪かった僕を色々気にかけてくれました。
- 登山状況など、食事の時に教えてくれる。
北岳山頂から、30分程歩くと赤い屋根の北岳山荘が見えてくる@中央
③白根御池小屋
- 電話:09032017683
- 公式サイト:白根御池小屋
- 小屋はキレイ。
- ソフトクリーム@600円。昼ご飯ある。
- 北岳山荘、北岳肩の小屋より、少しだけ混雑は避けられる。
- 女性スタッフが多い。対応が良い。
- 聞けば登山道の状況や安全ルートなど詳しく教えてくれます。
- サービス精神でソフトクリームのタワーを高くし過ぎて、運ぶ途中で折れて地面に落としていた。謝っていたが、許せるし、カワイらしい行為だったww。
ソフトクリームを売る山小屋は唯一ココだけだろう。
④広河原山荘
- 電話予約:09026770828
- 麓登山口の宿。
- 北岳登山でコチラに泊まる人は少なさそうだった
- 公式サイト:広河原山荘
通行止めの遮断機の先に広河原山荘
⑤農鳥小屋
- 間ノ岳と農取岳の中間に位置する。
- 北岳~間ノ岳~農鳥岳~(奈良田温泉)へ横断するのは良い。3日程かかる。
- 僕は、泊まった事は無いが、管理人さんが、かなり癖が強く難しい人らしい。
- 到着が遅い(夕方5時過ぎる)と怒られます。
イラストはあくまでもイメージです(^^)/
まとめ
- 北岳 肩の小屋:北岳だけ行く最短な小屋。男性スタッフ、しきり無し。
- 北岳山荘:北岳と間ノ岳に行くには良い小屋。広河原登山口から遠い。一人女性スタッフ対応が良い。
- 白根御池小屋:北岳まで遠い。小屋はキレイ、女性スタッフ対応が良い。
- 広河原山荘:遠方から遠征しに来る方の前泊宿として良い。
- 農鳥小屋:管理人さんが・・・。根はイイ人です( ´艸`)
僕個人の見解としては、
- 男性ならば、「肩の小屋」。
- 女性ならば1番が「白根御池小屋」、2番が「北岳山荘」が良いと思う。
「白根御池小屋」は、女性スタッフの良い対応、サービス、清潔感があるため。「北岳山荘」は、古さを感じる。
それでも「北岳 肩の小屋」か「北岳山荘」か迷う所でしょう。値段も同じなので。
迷ったら「北岳 肩の小屋」で良いかと思います。
バスか相乗りタクシー
芦安市営駐車場までは、マイカーでいけますが、
「芦安市営駐車場~広河原」間はマイカー規制のためバスか相乗りタクシーになる。
芦安市営駐車場(あしやす)
芦安市営駐車場
- 芦安市営駐車場に、バス乗り場と相乗りタクシーがある。トイレもある。
- 第1~第5駐車場がありバス停、相乗りタクシー乗り場に一番近いのが第一駐車場。
- 駐車スペース約600台。
- 芦安市営駐車場付近は日帰り温泉もある。
- ナビで市営芦安駐車場(あしやす)は出るが一応、住所、電話を載せて置く
- 住所 〒400-0241 山梨県南アルプス市芦安芦倉1570
- 電話 055-288-2212
バス、相乗りタクシーの共通事項
- バスもタクシーも始発5時10分頃。
- 平日と土日は違う時刻。ジーズン中の土日が便が多く、始発が早くと最終が遅い。
- 早朝始発は、30分以上前から並ぶ必要がある。
- 乗り場は芦安市営駐車場。
- 参考サイト:南アルプス観光協会
バス | 相乗りタクシー | |
値段 | 1030円 | 1300円 |
移動時間 | 1時間 | 50分 |
時間間隔 | 約50分 | 9人集まり次第 |
早朝便 | 混雑時は座れない | 座れる |
バス
芦安駐車場前のバス乗り場
- シーズン中は、早朝、5時15分、5時30分の2本出るようです。
- 早朝以外は約50分間隔で運行。
- 定刻に出発するが、混んでいると立つ事になる。
早朝始発バスで60人程が、すし詰め状態で乗車した。
相乗りタクシー
- 公式サイトなどでは1100円~1200円だが、実際は1300円。運転手が値上がりしたと言ってた。
- 定刻は、関係なく、人数が集まり次第、出発していた。
- ワゴン・バンで9人乗り。
- バスより揺れが少なかったように思えた。
バス、タクシーどちらも待つ事になるが、値段は変わらないので、移動時間も少しだけタクシーが早く、すぐ出発してくれる相乗りタクシーがおススメです。
単独の山ガールは、バスの方が良いかも。乗り合いタクシーは揺れる車の中、汗臭い男どもに囲まれて座る事になるので。。
値上がり前の古い看板が設置してあります。
感想
日帰り出来ない理由
- 基本的に北岳は帰りのバス時間に間に合わない。
- バスでは、朝5時~夕方16時に運行していて、最低でも往復12時間かかる。
- 山小屋で宿泊して、山を楽しみながら登るのが一番いいと思う。
山小屋に泊まる事によって朝の富士山を見る事も出来るのが良い。↓
北岳山荘前から、富士山
日帰りを目指す人へ
- バス乗車時刻は「早朝の一番早い便」と「夕方の一番遅い便」に乗る事になります。
- たまに日帰りしてる人がいるが、最低限の荷物で走るように登って行く人だ。
- 日帰りに失敗した場合、芦安駐車場まで1時間半歩くか広河原インフォメーションで素泊まりかになる。
- 確認は取れてないが、タクシーを呼んで帰る事が出来るかもしれない。
- 芦安観光タクシー:055-288-2053
- 10年程前は、マイカー規制が無く日帰りしていたそうです。
山小屋、テントの混雑
山小屋の混雑状況は、当日の飛び込みで来るので予測が付かないが、山頂から遠い白根御池小屋が北岳山荘、肩の小屋より、混雑しないと思われます。
登山シーズンの土曜は混むのは絶対><・・。月曜日が祝日の3連休の土日も混む。
混みすぎると3人で布団1枚もある。
また、テントも隣あって隣人の声が聞こえるなど、プライベート空間は無いと思った方がいいでしょう。
対策として、出来れば、平日の金曜日か月曜日に有給を取得して土曜日宿泊は避けるようにしましょう。
また、うるさい「いびき」は、ほぼ誰かいるのは確実なので、耳栓も忘れずに。
景色
山頂から見える富士山
山頂景色は最高なので、天気の良い日に一度、行ってみてる事を勧めます。
間ノ岳は行かなかった(帰りバス時間が厳しいと判断したため)が北岳より景色は良く、山梨の町が見えるそうです。
北岳~間ノ岳は標高3000mの稜線を歩くので、展望が良く心地良いそうです。6月時点で稜線に雪はないとの事。
下山したくないと思えるキレイな景色だった。
北岳山頂の景色は、360度パノラマで、動画を載せておくので、よければ見て下さい。↓
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